読書の秋、芸術の秋、食欲の秋。全部まとめると映画の秋。
何でもやりやすい状況になると、なんにもできないことは無いだろうか。そんな暇が発生したときにアクション映画を見るとかなり効く。
観るだけで刺激的な映画を紹介したい、もし暇あれば試してみてほしい。
・Netflix原産のとれたて筋肉映画
タイラーレイク-命の奪還-
マイティ・ソーから知名度が爆発したクリヘムの筋肉が爆発するアクション映画。
マッシブなクリヘムの筋肉が雑草のように現れる雑魚兵に全く容赦なしに殺す。膂力に殺意を込めて叩き潰す様はかなり爽快だ。所謂疑似ワンカットシーンでは途中から襲われてるのか襲ってるのか混乱するほど。
・妙に納得できる無慈悲鉄槌アクション
主人公タイラーレイクは傭兵としてのスキルは一級品。それを底上げしているのは、腕の太さから見て取れる筋肉だ。
筋肉戦車と化したタイラーは、そのフィジカルを遺憾なくスクリーンで発揮している。
床に落ちた鍬に頭を押さえつけたり、弾が切れたハンドガンを敵のゴーグルに射し込んだり、まるで人形でも壊すようだ。もうやめてあげて、と言いたくなる。
そして同格相手とのアクションシーンは、まるで本当の殺し合いでもしているようなスリル感が脳みそを刺激する。
もちろん現実ではそんな動きできるか?と疑問符になるが、クリヘムの筋肉を見ると妙に納得できるのがこの映画の良さだ。
・疑似ワンカットシーンが体現したのはスリルと破壊美
ワンカットシーンとは、場面が切り替わるまでの一つの映像。つまり作品の流れが途切れるまでがワンカットシーンという。
タイラーレイクでは擬似的に作り出したワンカットシーンに注目してほしい。
麻薬王の息子を救出してから街に現地入り、波のように押し寄せる敵を力まかせに潰し、追跡者から逃走する。この一連の流れをまるでずっと撮影しているように魅せている。
途切れることのないアクションが本作の見どころ。
Netflixに加入しているなら見なければ損だ。
・クソダサパッケージに復讐してくれ
サベージ・キラー
あまり知名度はない本作。
巷で言うところのB級作品として扱われるが、この映画は主人公の殺意のこもったアクションや気持ちの叫びなど、エモーショナルな表現力に優れている隠れた名作だ。
何故隠れているのかと問われれば、パッケージがあまりにも凄惨だったからだと言う他ない。
・パッケージデザイナーは何を諦めたのか
本作品が取り扱うコンテンツはホラーアクション。
インディアンの亡霊によって死から蘇ったヒロインは、弄んだ男どもに復讐する話になっている。
ネイティブ・アメリカンから授かった石斧と弓矢を使い、レイプ犯の男どもを酷い殺し方で追い詰めていくのが大筋だ。
ある意味作品レイパーなパッケージデザイナーもやってくれ。
・ワンカットに込められた感情の演出と意味のあるゴア表現
ワンシーン毎に乗る主人公の静かな感情が光っている。どの場面を切り取っても明確な殺意がかっこよさを引き立たせていて壁紙にしたくなるほどだ。
まるで絵のように完成された主人公の出で立ちから、辱めた男たちへの圧倒的な殺意が伺えてB級作品と呼ばれるには惜しいほど。
ここを理解できる人ならば、ゴア表現にもちゃんとした意味があるのだとわかるはずだ。
ただやたらと腸が長いのは疑問符がついてしまうが…
・両方とも頑張りすぎてダブルスタントの意味が無い
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
マーベルシネマティックユニバースに連なる、キャプテン・アメリカ単独作品第二弾。
この映画は前作のキャプテン・アメリカファーストアベンジャー、そしてアベンジャーズで全く活躍出来なかったキャップの進化を見ることができる。
あまりの進化っぷりに本作品はインターステラーと並んで、第87回米国アカデミー視覚効果賞にノミネートされ、今まで批評を覆した。
・動けるお兄さん呼ばわりされていた
「飛んだり跳ねたり殴ったり、偶に盾をブーメランみたいに投げるお兄さん。何でリーダー面しているのかわかんない。」
姪に聞いたキャプテン・アメリカの印象だが正直に言わせてもらう。
そのとおりだ。
人間尺度の最強から飛び抜けない、地に脚をつけたヒーローなので目劣りするのはそれはそう。
なので僕はこの作品を姪に見せた。感想は上記に付け加えて「でもカッコいい。」を頂いた。
・ダブルスタントの血と汗
今までのキャプテン・アメリカに足りなかったのはリアルなアクションシーンだった。役者陣の鍛え抜いた体に加え、監督と相談しながらアクションスタントは冴えていく。
俳優と制作陣の絶対に見返してやるという気概がアクションシーンで余すところなく発揮しており、アカデミー賞を獲得するまでに至った。
視聴効果とアクションスタントの努力が実を結んだ結果を、あなた自身で見てほしい。
・世界で一番ゴリラに近いバットマン
バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生
マーベルから轡を返して、今度はDCコミックス原作。
DCエクステンデッド・ユニバースと呼ばれるシリーズ群2作目となる本作品。スーパーマンとは違う肉弾戦仕様のヒーロー、ベン・アフレック演じるバットマンが意味わからんほどゴリラアクションをしているので楽しい(混乱)
・ベンアフパッパのゴリラアクション
本作品の見どころの1つとして、シリーズ最高にガタイがゴツいバットマンのアクションだ。
溢れ出る筋肉。その下に包んだ正義。
悪者に対しての容赦なさはこのヴィジュアルによって底上げされ、それは多数vs1になったシーンで発揮された。
ギミックを利用しながら力の限り悪を打ち倒す殺陣はまるで本当にゴリラだ。過去シリーズの中でもベン・アフレックバットマンの重苦しい一撃は過去を遡っても類を見ない。
・神と人間の対比。見るものによってあり方を変える平穏と恐怖の存在
スーパーマンという絶対的な力、神に据え置く程の存在に立ち向かう人間のバットマン。
誰が見てもこの構図は不利を感じるだろう。
だが作品を通して監督がお客に伝えたいメッセージというのが「見方」だと思われる。
救われた者の目には神のように見える存在だが、それ以外の人間から見れば「スーパーマン」と呼ばれる絶対強者は「恐れ」の対象だ。
バットマン主体のシーンが多い本作品では、スーパーマンが現れると到底勝ち得ない絶対の恐怖として演出されていた。
だが反転すれば希望の象徴となる。ヒーローという虚像が希望に変わるまでの道中が次作「ジャスティスリーグ」に繋がる訳だ。
ダークでシリアス、けれどもゴリラアクション。
正統派なアメコミヒーロー映画とも言える。しっかりとアメコミ映画を見たいときはこの作品を手にとって欲しい。
・長文失礼しました
色んなサブスクがある近年。ピンとハマる映画を見つけるのは大変だと思う。この記事があなたの役に立つ事を願っております。