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マーベル振り返ったり考察したり

実はアイアンマンより早く公開されていた、過去シリーズ愛に満ちた映画。シーハルク配信直前特集 MCU版インクレディブル・ハルク

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2008年8月1日日本公開 

インクレディブル・ハルク

日本ではまだ馴染み深いキャラクターであるハルクが、マーベルスタジオ製作の元に生まれ変わり、MCUとしてリブートされた本作品だ。

 


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直近で言えば2003年の映画「ハルク」が金曜ロードショーTSUTAYAなどで借りられるようになった時期。実は制作にマーベルスタジオも関わっていた作品だったが、残念な事に不評となっている。

 

ある意味でモンスター作品

怒りの爆発が肉体を肥大化させ緑色に変え、変身したが最後、自我を失う怪物になってしまう…というのが本作品の主人公ブルース・バナーことハルクだ。

 

鋼の肉体に怪力、怒りと比例して力が増幅してしまうため原作ではアメリカの都市を壊滅に追いやっている。

既存の兵器は殆ど効かないためにかなり扱いに困る厄介者だが、人類が持つ最強の切り札として認識されてるわけだ。


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この映画をヒーロー物か?というと釈然とこない。

怒りのまま破壊の限りを尽くすが、愛するものだけは必ず守る。

ヒーローとモンスターの境界を危うい橋で渡っているのがハルクのキャラクター像だ。そういった部分が過去の実写ハルク作品に共通しているし、そこにエンタメ性があると僕は思っている。

 

後はガンマ変異体の匂わせが沢山しているので、ヲタクが楽しめるコンテンツであることも知ってほしい。

 

 

・ざっくりストーリー


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手段を選ばない系軍人サディアス・ロス将軍指揮の下、ブルース・バナーはある実験をしていた。実験の成功を確信したバナーは自身にそれを施すが失敗。バナーは心拍数が上がると緑色の巨人ハルクとなってしまう。

ハルクになった彼は周りになりふり構わず実験室で大暴れ、気がつくと病院に運び込まれ、管に繋がれた傷だらけの恋人を見る。

バナーは自身が周りに危険が及ぼす存在だと理解し、何も言わずに病院から逃亡した。

 

 

 

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逃亡犯としてリオデジャネイロに潜伏していたブルース。感情のコントロールを学びながら、自身の治療法を模索する日々を送っていた。

 

ある時バナーの血液がガラナソーダの瓶に混入してしまい、それを本人も見逃してしまった。それが事の始まりだった…

 

ガンマ線もやばいけど、血もやばいよね


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かなりの数があるガラナソーダガチャで、星5クラスのレア度があるガンマ線汚染ソーダを引き当てたスタンリー氏がグイッと飲んで死んでしまう事件が発生。

ロス将軍がそれを聞きつけ、外人部隊を連れて生産工場があるリオデジャネイロに向かう。

その中には悟空タイプのアラフォー目前独身軍人エミル・ブロンスキーの姿があった。

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その頃、バナーはブルーと言う名前のメル友に治療法の相談を持ちかけていた。治療法模索する中で、ハルクの誕生の際に取れたデータが必要になるとのことだった。

ただでさえ逃亡犯としてリオデジャネイロに潜伏していたバナーがアメリカに渡米するのは至難の技だと諦めかけていた時だった。

彼の家にロス将軍率いるハルク捕獲部隊が強襲する。

 

ハルクの恐ろしさ


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銃弾を弾く鋼の肉体、鉄を軽々と歪曲させる力で部隊を圧倒。これで自我を失っているというので手に負えない。

ブロンスキーを退け、バナーはなんとか渡米することに成功、武力で彼を止めることはできなかった。

 



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ハルク誕生の地、ガルバー大学にたどり着いたバナーはロス将軍の娘であり恋人だったベティ・ロスと再開を果たす。二人は協力してデータの回収を目論む。

 


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警備員を騙してなんとかデータ回収に成功。 


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大学の庭で落ち合う二人の前に現れたのは、またもやロス将軍指揮下ハルク捕獲部隊。そしてなにやら雰囲気を変えたエミル・ブロンスキーの姿もあった。

 


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ロス将軍はスーパーソルジャープログラムという計画を遂行していた。

その走りとして第二次世界大戦で使用されたスーパーソルジャー血清の複製を試みていたのだ。ハルクはその過程で生まれたイレギュラーで、プログラムの秘匿性のためにバナー自身も知らずのうちに協力させられていたのだ。

 

ガンマ変異体の前触れ

ソルジャー血清の複製を打ったブロンスキーの動きは超人そのものだ。だがハルクには敵わず、これも撃退。バナーとベティはブルーの元へと急ぐ事に。

 

スーパーソルジャー血清による驚異的な回復力を見せるブロンスキーだが、副作用の「服用者の精神性が顕著に現れる」が発動。飽くなき戦いを求める狂人となって彼らを追跡する。


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ブルーことサミュエルスターンズ博士に会うことができたバナーは早速解毒剤投与を始める。


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これによりバナーはガンマ汚染の中和に成功、ハルク化を抑止することに成功した。

 

 

だがスターンズ博士はバナーの血を使って、恐ろしい実験をしていた。

 

 

マーベル史上興行収入最下位映画


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公開当時は2003年の同名キャラクター主役の映画「ハルク」よりは精巧で質が良い、という批評止まりだった。それはそうだ。イースター・エッグやネタが細すぎる。

 

興行収入低迷は前作「アイアンマン」という良質ヒーロー作品の次回作として展開された背景にもある。

ハルクという想像に難しくないキャラクターストーリーに加えて、ヒーロー映画として銘打っている傍ら、演出自体がモンスターパニック作品に近しい作りとなっている。

あ!アベンジャーズに出てたヒーローだ!

なんて期待しながらサブスクのサムネをクリックすると、痛い目を見るので注意してほしい。

 

 

見なくてもいいなんて言えない…

多くの口コミで本作の駄作扱いが目立つ。正直質がいいか悪いかで言えば悪い。悪いからといって見なくていいというのは僕は言えない。

何故ならインクレディブルハルクはインフィニティサーガのうちに入っているわけだから、必ずヒントがあるはずだからだ。実際各々のシーンでは既視感を覚えるような場面が散りばめられている。(ここ重要)

 

実際、この作品の小ネタがキャプテン・アメリカ シビル・ウォーから目立って出てきているのだから油断ならない。

だからお手好きであるのなら、字幕版で是非見てほしいなと思う。

何故ならディズニー+で配信されるシーハルクに、エミル・ブロンスキーが同俳優で出演するからだ。f:id:rkomuta:20220810235342j:image

今からでも遅くはない。シーハルクを楽しむなら本作を観ていた方が絶対によいだろう